
近年、様々な電子機器が自動車用途に用いられておりそれにともない電子機器の過酷な温度や湿度の環境下での信頼性の要求が高まっています。電子機器を構成する部材であるFPCについても同様のことが言えます。FPCの加速寿命試験においてニトリルゴム(NBR)/エポキシ樹脂系接着剤の劣化メカニズムを各種分析機器を用いて解析しました。高温高湿下の接着剤の劣化は、接着剤の内部形態の観察、ガラス転移温度(Tg)の測定並びに組成分析より接着剤中に添加されているNBRの酸化劣化によることがわかりました。この技術は、その他複合体材料の劣化メカニズム解析にも展開が可能です。
近年地球環境を守るため電気・電子機器業界、自動車業界を中心に、廃棄製品のリサイクル運動が進んでいます。それにともない製品・材料・部品中への環境負荷物質の含有禁止/低減の取り組みが強化されています。弊社でも、誘導結合プラズマ質量分析装置 (ICP-MS)を導入しいち早くプラスチック、ゴムなどの各種材料中の有害重金属(Cd,Pb,Cr,Hg)を0.1ppmまで迅速に定量できるシステムをつくりあげました。
また弊社の装置では耐フッ酸導入システムを用いていることから多量のSiO2が含まれる樹脂やシリコン樹脂、ガラスなどの分析も可能です。
形態評価の手段の1つとしてSEMが用いられていますが、近年、現有のFE-SEMでは困難な微細形態のニーズが多くなる傾向にあります。 UHR-FE-SEMは、従来のSEMのように試料の上にレンズがあるのではなく、試料を対物レンズの中において観察を行うため、これまでは困難であった低加速電圧、高倍率での観察が可能となりました(ex. 加速電圧 1kV、観察倍率200,000倍)。
これにより、高倍率観察時のダメージを軽減する事ができ、試料本来の形態を反映した評価ができるようになりました。今まで、FE-SEM観察が困難という理由でTEM観察を行っていた試料では、UHR-FE-SEMによる高分解能観察が期待されます。
UHR-FE-SEMの応用例としてはフィルム表面の微細な凹凸状態観察や薄膜層断面の厚み評価などが挙げられます。また、さらに加速電圧を低くする事により(0.8 kV )、無蒸着状態での観察ができ、蒸着粒子の影響を受けずに微細形態評価を行う事ができます。
昨今製品の軽薄短小化のニーズに対し材料の複合化や各種添加剤配合による機能化が進んでおりそれら材料表面 ・界面の分析及び解析が益々重要になっています。
TOF-SIMSは、一次イオンを材料最表面に照射し、飛び出した二次イオンの質量 と飛行時間の関係から化学構造情報を得るものです。
顕微FT−IR、顕微ラマン及びESCA等の従来の表面分析機器では容易でなかった材料最表面 (〜1nm)の局所情報を高感度に得ることができまたイメージマッピングも可能です。従って金属、半導体、セラミックス、ガラス、ポリマー、有機材料などあらゆる材料表面分析に適用できシリコーンウエハーに付着した有機汚染物の解析及び表面処理フイルムの微量化学種の検出等に応用されています。
近年、半導体関連を中心とした工業材料は急速にファインな方向に進んでおり、それを評価するためのツールである分析装置や試料前処理装置についても、今までにない性能や機能が要求されるようになってきました。
従来、断面観察用試料の前処理は、機械研磨やイオンミリングなどによる作製法が用いられてきましたが、複合材料やサブミクロンレベルの微細な加工は困難でした。
FIBは、Gaイオンを試料表面に照射し、加工部位を観察しながら、特定部位をピンポイントでエッチングできる装置であることから複合材料の均一な薄片化やピンポイント加工による微小部の断面試料作製が可能です。また、装置付随の走査型イオン顕微鏡(SIM)を用いてめっきなどで形成された多層膜の各結晶グレインの観察を容易に行うことができます。
弊社では半導体デバイスの微小部断面観察、複合材料の均一な断面 試料作製、結晶グレインの観察並びにポリマー中の微小異物の断面観察などに応用しています。
昨今ハードディスクドライブ(HDD)の生産量は急増し、また高密化および高速回転化が進められています。このようなHDDは、極微量のコンタミネーション(汚染)が不良の原因になるため、HDD部品のコンタミネーションを分析することは、品質を管理する上で非常に重要になっております。
HDD部品のコンタミネーション成分は、一定条件(加熱気化や純水抽出など)で抽出を行い濃縮して、有機成分についてはガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)で、腐食の原因となるイオン成分についてはイオンクロマトグラフ(IC)で分離し検出します。また、シリコーン成分などの特に影響が大きい特定成分などについては、GC/MSにおいて特有のイオンを検出することにより、特異的に分離して検出し分析を行います。
このような手法により、ヘッドのクラッシュや付着および腐食などによる不良の原因になると考えられているコンタミネーション成分を極微量(サブng〜μgオーダー) まで高感度で分析することが出来ます。