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ナノ~ミクロンオーダーの分極状態がわかります

強誘電体はコンデンサー、アクチュエーターや不揮発メモリーなどに利用されています。このような電子デバイスも薄膜化や小型化が進み、デバイスを設計・開発するためには微小領域における分極状態の評価が必要不可欠です。微小領域の分極状態を調べるには、走査型プローブ顕微鏡から派生した種々の電気物性測定法を利用することが有効です。ここでは、分極状態を可視化できる圧電応答力顕微鏡(PFM)と静電気力顕微鏡(EFM)の事例を紹介します。

LiNbO3の圧電応答力顕微鏡観察(PFM)

試料は分極パターンが描かれたLiNbO3基板です。形状像〔図1〕から、研磨による傷が認められるものの、非常にフラットな形状であることがわかります。圧電応答力像〔図2〕からはストライプ状のコントラストが得られ、暗い領域がプラス分極、明るい領域がマイナス分極であることがわかります。

図1 LiNbO3の形状像(80μmスキャン)
図2 LiNbO3の圧電応答力像(80μmスキャン)

SrTiO3単結晶の静電気力顕微鏡観察(EFM)

試料はチタン酸ストロンチウム(単結晶)(100)面基板上に、外側が+8V印加でコンタクトスキャン、内側が-5V印加でコンタクトスキャンし、分極パターンを表面に描いた試料を用いました。分極パターン形成後の形状像〔図3〕では、スキャンによる影響はほとんど認められず、平滑な形状であることがわかります。それに対して、静電気力顕微鏡像〔図4〕からは分極パターンに対応したコントラストが得られていることがわかります。

図3 SrTiO3単結晶の形状像(18μmスキャン)
図4 SrTiO3単結晶の静電気力顕微鏡像(18μmスキャン)

その他の応用

  • 強誘電体薄膜の分極状態の観察
  • 分極パターンの形成とその場観察

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