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異常部の組成を可視化します

フィルムの外観異常には、生産・加工工程中において、①異物が混入したり、②使用原材料の混合あるいは溶融が不十分で不透明な異常部が生じたりと、さまざまなトラブルがあります。このような異常部の解析は通常の測定(ピンポイント分析、ライン分析)ではわかりにくく、組成のわずかな違いを明らかにすることは困難です。
当社の試料前処理技術と顕微イメージングIR装置を融合させることにより、より精度の高い、より信頼性のある解析技術を提供することができます。

EVAフィルム中のフィッシュアイの解析

図1 試料表面の顕微鏡像(クロスニコル法)
図2 試料切片の顕微鏡像
図4 2Dカラーイメージ(1740cm-1/2850cm-1

EVAフィルム中のフィッシュアイ部は〔図1〕、クロスニコル法でようやく認められる外観異常でした。このフィッシュアイ部の切片を作製し観察したところ〔図2〕、約60μm(幅)サイズの異物が確認されました。赤外スペクトルより〔図3〕、吸光度比(1740cm-1/2850cm-1)を算出し、酢酸ビニル含有量(VA wt%)を推察したところ、フィッシュアイ部は正常部に比べて、VA含有量が高いことがわかりました。また、組成分布状態を2Dカラーイメージ〔図4〕で表すことで、通常の測定ではわかりにくい、わずかな組成の違いを明確化できました。 なお、この場合のフィッシュアイの発生原因としては、使用原材料の混合、あるいは溶融が不十分であったことが推察されました。

可視化するための3つのポイント
(1) 試料前処理の最適化
(2)大量・多次元の情報を分かりやすく要約する
(3)ねばり強さ

図3 フィッシュアイ部および正常部の赤外スペクトル

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