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【表面分析】深さ方向の分析が低損傷で行えます ~ESCA(XPS)~ (002)
ESCA(XPS)を用いた有機材料の表面クリーニングおよび深さ方向分析は、従来のArイオンスパッタでは事実上不可能でしたが、 C60イオンスパッタを用いることで可能となりました。ここでは、ポリエチレンテレフタレート(PET)をArイオンおよびC60イオンでスパッタし、深さ方向分析した事例をご紹介します。
分析事例:ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの深さ方向分析_ESCA(XPS)

PETフィルムの深さ方向分析を行った結果を図1に示します。C1sスペクトルにおけるPET構造由来のC-C, C-O, COO, π-π*(主に芳香環の存在を示唆)のピーク変化に着目すると、Arイオンスパッタではダメージの影響でスパッタ直後にO系官能基に由来するピークがほとんど検出されていません〔図1上〕。それに対し、C60イオンスパッタでは試料表面から深さ100nmスパッタ部まで、スペクトルに大きな変化がなく〔図1下〕、 C60イオンスパッタは試料損傷の少ない手法であることが判ります。このことは、ピーク分離を行い、表面から深さ100 nmまでの各官能基の存在比率を求めた図2からも示唆されます。


(左図)図1 各深さ水準におけるC1sスペクトル(上:Arイオンスパッタ、下:C60イオンスパッタ)
(右図)図2 C60イオンスパッタによるPETのデプスプロファイル


高分子分析の中で、PETフィルムをArイオンおよびC60イオンでスパッタし、ESCA(XPS)で深さ方向分析を行った事例をご紹介しました。
FE-AES(オージェ電子分光)を用いて深さ方向分析やマッピングを行うことで、CuやSnの化学状態別の元素分布を調べた事例もございます。
 ⇒サブミクロンの微小部の化学状態がわかります_FE-AES(083)

 ⇒1μm厚以下でも組成が確実にわかります_SAICAS、TOF-SIMS(001)

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