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【表面分析】極表面成分の化学状態まで定量できます ~ESCA、TOF-SIMS~ (021)
粘着テープの利点の一つとして簡単に剥がせることが挙げられますが、剥離した後、粘着剤成分の被着体への汚染がしばしば問題となります。汚染成分を調べるには、X線光電子分光装置(ESCA)や飛行時間型2次イオン質量分析装置(TOF-SIMS)を用いた表面分析が有効です。ESCAは汚染量の定量的な評価に、TOF-SIMSは汚染成分の特定に力を発揮します。これらの分析結果を元に低汚染性の粘着テープの開発につなげることが可能となります。
分析事例1:ESCAによるガラス表面の粘着剤転写量の分析_ESCA

粘着テープを貼付・剥離したガラス表面をESCAで分析しました。その結果、テープ剥離後には、ブランクと比べて炭素Cの比率が増加し、粘着剤成分がガラス表面に付着していることが確認されました〔表1〕。さらにCの化学結合状態を解析するとテープ剥離後には、COO結合の割合が高くなっていることが判りました〔図1〕。

表1 主要元素の表面元素比率


図1 C1sスペクトルのカーブフィット

分析事例2:TOF-SIMSによるガラス表面の粘着剤転写成分の定性分析_TOF-SIMS
粘着剤にはポリマー、添加剤など多くの成分が含まれています。そこで、テープ剥離後のガラス表面の汚染成分を特定するために、TOF-SIMS分析を行いました。その結果、テープ剥離後にはC3H3O2-およびC4H7O-(m/z 71)、C4H9O- (m/z 73)が特異的に検出され〔図2〕、粘着剤ポリマーのブチルアクリレート(BA)成分がガラスに付着していることが判りました〔図3〕。このように、TOF-SIMSでは付着物の有機組成を調べることができるため、被着体に移行しやすい成分を特定することができます。


  (左図)図2 負2次イオン質量スペクトル
  (右図)図3 転写した粘着剤の主成分と同定されたブチルアクリレートの化学構造式


高分子分析の中で、ガラス表面の汚染物をESCAやTOF-SIMSを用いて定性・定量分析した事例をご紹介しました。
ガラス表面の汚染物をTOF-SIMSを用いて組成と分布を同時に調べた分析には、次のような事例もございます。
 ⇒極薄付着物の組成分布が1ミクロンレベルでわかります_TOF-SIMS(022)

 ⇒微量残渣の元素と化学構造がわかります_TOF-SIMS(020)
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