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LC/FT-MSによる精密質量測定で組成分析が変わります

高分子材料には、機能の向上や維持のために様々な添加剤が配合されています。それらを同定する場合、高分子材料から抽出し、さらに目的の成分を分離して分析するため、成分分離を行う液体クロマトグラフィー(LC)と化合物の質量情報を与える質量分析計(MS)を組み合わせたLC/MS法が適しています。当社で保有するLC/MS装置の質量分析計(MS)には、フーリエ変換質量分析計(FT-MS)が搭載されおり、化合物を構成する原子の種類と数を明らかにできるため、高精度な定性分析が可能になりました。ここでは、LC/FT-MSを用いて、耐候性フィルム中の添加剤を分析した事例を紹介します。

耐候性フィルムの添加剤分析

耐候性フィルム抽出液の LC/FT-MS測定を行ったところ、ピーク①のMSスペクトルより、このイオンの精密質量は509.4305([M+H]+)と判明しました〔図1,2〕。この精密質量を用いて化合物を構成する元素組成を計算すると、C30H57O4N2であることが明らかとなり、ヒンダードアミン系光安定剤の一種に由来することが推定されました。このようにLC/FT-MSを用いると分子の精密質量測定が可能となることから、添加剤の定性結果を高精度で迅速に得ることができます。

図1 耐候性フィルム抽出液のLC/FT-MS BPIクロマトグラム
図2 図1のピーク①のMSスペクトルと組成解析結果

その他の応用事例

  • 添加剤中の不純物の定性
  • 硬化触媒の定性
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