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LC/FT-MSで染料の構造に迫ります

有機染料の構造解析は、その複雑な構造のため難易度の高い分析の一つです。LC/FT-MS (液体クロマトグラフィー/電場型フーリエ変換質量分析計)では、LCで成分分離を行い、FT-MSで各成分の質量を高精度に測定します。得られた精密質量の組成演算を行うことで、ピーク成分の分子組成式(CxHyOzN・・・)の推定ができ、候補化合物の抽出が可能になります。その妥当性は、同時に取得するMSnスペクトルで検証することができます。このように、LC/FT-MSは、迅速で高精度な化合物定性を可能にします。ここでは、有機染料の構造解析をLC/FT-MSで行った事例を紹介します。

LC/FT-MSを用いた有機染料の構造解析

有機染料混合物のLC/FT-MS測定を行ったところ、UV(250nm)クロマトグラムから、試料には4種の染料が混合されていることが確認されました〔図1〕。ピーク①について精密質量を組成演算した結果、分子組成式はC28H21O14N5S4と推定され、構造1のジアゾ系染料と考えられました〔図2〕。検証のため、ピーク①のMSn測定を行った結果、フラグメントイオンは構造1の部分構造に一致しました。このように、LC/FT-MSで高精度な構造解析を行うことが可能です。

図1 有機染料混合物のLC/FT-MS測定結果(UV:250nm)
図2 図1のピーク①のMS、MSnスペクトル(ESI,ネガティブイオンモード)
構造1 ピーク①の推定構造

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