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ナノ薄膜の熱物性評価ができます

走査型プローブ顕微鏡(SPM)から派生したサーマル顕微鏡法の中で、局所熱分析が可能な手法にナノTAがあります。ナノTAは、SPMのカンチレバーを加熱することによって試料表面を昇温させ、試料の膨張や軟化に伴うカンチレバーの高さ変位を検出して表面の熱挙動を調べる装置です。カンチレバーで微小変位を検出することから、DSCやTMAなどの従来の熱分析手法では困難であった薄膜への熱分析アプローチが可能です。

単分散ポリスチレン薄膜の分子量依存性

図1にシリコンウエハ上にスピンコートした各種単分散ポリスチレン薄膜のナノTA測定結果を示します。図1から、昇温に伴う表面の熱膨張によってカンチレバーが持ち上げられたのち、軟化によってカンチレバーが下がったことが読み取れ、変位が上方から下方に転換する温度が軟化温度と判断されます。試料間で比較すると、高分子量の試料ほど、試料表面の軟化温度が高温側にシフトしており、分子量依存性があることがわかりました。このようにナノTAでは、従来の熱分析では測定が困難であった薄膜の評価が可能です。

図1 各種単分散ポリスチレン薄膜のナノTA測定結果

その他の応用

  • 微小領域における結晶化度の評価
  • レジストの硬化度
  • 積層フィルムの分析

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