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複合材料の微小異常部を明瞭に可視化します

製造工程において認められた異常の原因を早急に把握することは、製品の歩留まり向上を図る上において極めて重要です。その異常原因を知るための第一歩は、「異常部がどのような形態をしているか?」を正しく理解することから始まります。目視や光学顕微鏡により製品表面から確認される異常には、(1)内部形態が正常部と異なる場合、(2)表面に凹凸が存在する場合、(3)表面もしくは内部に異物が存在する場合、など様々なモードがあります。製品の構成が複雑であるほど、また異常部が微小であるほど、その可視化は困難となります。このような「有機・無機複合材料に存在する微小な異常部」のモード解明において、NTCの “高精度断面形態観察技術” が大きな威力を発揮します。

多層フィルム異常部のFIB-TEM分析

多層フィルムに認められた微小なクラック様異常部〔図1〕について、断面TEM観察を行いました。まず、集束イオンビーム加工装置(Focused Ion Beam:FIB)を用いて目的箇所を摘出し、得られた断面を透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)により観察しました〔図2〕。その結果、基材表面にある層①~③〔図2B〕の中で、層①のみが異常部には存在していないことが判明しました〔図2C,D〕。一般的に試料調製が困難とされる有機・無機複合多層フィルムをサブミクロンオーダーの位置精度で均一な厚さに薄膜化し、ナノメートルオーダーの各層を明瞭に観察したからこそ、明確にできた異常部の形態です。

図1 多層フィルム表面に認められたクラック様異常部の模式図
図2 多層フィルムの断面TEM像(A:全体像,B:正常部,C:異常部の端部,D:異常部の中央付近)

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