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電子線ダメージを抑制した構造観察が可能です

各種材料の形態をnmレベルで把握するにはTEM分析が極めて有効ですが、高分子を始めとするソフト材料には、観察(電子線照射)時にダメージを受け、試料本来の形態を維持した分析が困難なものが数多くあります。当社では、冷却機能付TEMを駆使することにより、ダメージを抑制した構造観察を行うことが可能です。

PTFEの冷却TEM観察

ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は高分子のひとつであり、耐摩耗性,耐熱性,耐薬品性に優れ工業用途や一般用途に広く利用されています〔図1〕。 しかし、このPTFE粉末について、常温でTEM観察すると、電子線照射直後からC-F結合が切れ、粒子の変形が認められます〔図2A〕。 そこで、冷却TEMを用いると、C-F結合の切断を遅らせることができ、粒子の変形を抑制した観察が可能となります〔図2B〕。 このように、ハロゲンを含む材料の構造観察には冷却TEMが強い味方となります。

図1 PTFE粉末の光学顕微鏡像
図2 PTFE粉末のTEM像 (A:常温TEM, B:冷却TEM)

対象試料

  • フッ素系のコート剤, 離型剤, 潤滑油, ゴム, フィルムなど。

高分子分析の中で、冷却機能付きTEMを駆使し、電子線照射時のダメ-ジを抑制してPTFEの構造を観察したした事例をご紹介しました。
冷却機能付きTEMを駆使し、熱ダメ-ジを抑制してラテックス粉末の構造を観察した事例もございます。

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