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特定微小部の深さ方向分析を大気非暴露下で行うことができます

リチウムイオン電池のように、大気中の酸素・二酸化炭素・水分などの影響を受けやすい試料を分析する場合、サンプリングから測定まで大気非暴露下で行う必要があります。このような試料に対して、グローブボックスおよびトランスファーベッセルを用いることで、大気の影響を抑え、材料本来の状態を評価することが可能です。

リチウムイオン電池 負極表面のFE-AES分析

充放電後の電極活物質の表面には、被膜(SEI:Solid Electrolyte Interface)が形成されることが一般的に知られています。被膜に含まれる元素の分布を深さ方向で調べることは、電池特性評価や劣化解析において極めて重要です。FE-AES(Field Emission Auger Electron Spectroscopy)はSEM像で表面の形態を観察し、任意の微小部分に対して分析を行うことが可能です。ここでは、充放電サイクル試験を行った後の負極(グラファイト)について、深さ方向分析を行った事例を紹介します。
図1のSEM像に示すように、負極粒子表面にはバインダーと考えられる付着物部と、グラファイトが露出していると考えられる平滑な部位が認められました(サイクル試験前においても同様)。平滑な部位に対して測定を行った結果、図2に示すデプスプロファイルが得られ、サイクル試験後のグラファイト表面には、試験前では認められないO,F等を含む被膜(SEI)が形成されていることが明らかとなり、その厚みは約8 nm(SiO2換算)と算出されました。

図1  充放電サイクル試験後 負極表面のSEM像
図2  負極グラファイト表面のデプスプロファイル

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