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大気非暴露下での形態観察が可能です

大気中の酸素・水分・二酸化炭素などの影響を受けやすい試料を分析する場合、サンプリングを大気非暴露下で行う必要があります。このような試料に対して、グローブボックスおよびトランスファーベッセルを用いることで、不活性ガス雰囲気下で試料を採取し、そのまま装置に導入することが可能です。

電極材料のFE-SEM観察とESCA分析

大気暴露による表面形態と組成への影響を調べるために、大気非暴露下と暴露後でFE-SEM観察とESCA分析を行った事例を紹介します。用いた材料は水分や二酸化炭素と反応しやすいリチウム金属です。
SEM観察の結果、大気非暴露下ではおおむね平滑な表面が観察されています〔図1〕。一方、試料を5分間大気に暴露すると表面形態が変化し粒状物が観察されました〔図2〕。さらに、表面組成をESCAで分析したところ、大気非暴露下ではメタルのLiが顕著に認められるのに対して、大気暴露後ではLi2CO3が特徴的に認められました〔図3〕。従って、表面形態の変化はLi2CO3等の生成によるものであると考えられます。
このように、リチウムイオン電池の電極材料など、大気の影響を受けやすい試料に対しては、大気非暴露下での採取および装置への導入が重要です。

図1 大気非暴露下のリチウム金属表面SEM像
図2 大気暴露後のリチウム金属表面SEM像
図3 リチウム金属表面ESCAスペクトル(Li1s)

その他の応用

  • 吸湿や酸化により変質し易い有機薄膜材料
  • 酸化し易い無機材料

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