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複数試料間の成分の差異を統計的に評価できます

多成分からなる試料において、含まれる成分の組成情報を取得する分析手法の一つとして、液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)があります。しかしながら、多成分系の試料では得られる情報量が多く、複数試料間における含有成分の比較を行うことは難しい場合が多くあります。そこで、LC/MSにより得られた膨大な情報に多変量解析を適用することで、有用な情報を取り出すことが可能です。

市販のお茶7種のLC/MSによる多変量解析

市販のお茶7種のLC/MS測定を行い、得られたデータを主成分分析(PCA)により解析した結果を図1(スコアプロット)および図2(ローディングプロット)に示します。その結果、7種のうち、Aがその他に比べて特異的な成分を多く有することが明らかとなりました。さらに、それを特徴づけている成分の一つについて、MSスペクトルによる構造解析を行ったところ、クロロゲン酸と推定されました(図3)。このように、LC/MSおよび多変量解析を用いることで、試料間のわずかな差異を見つけ出し、その差を発現している成分の構造推定が可能となります。

図1 各種お茶のPCAスコアプロット
(左図) 図2 各種お茶のPCAローディングプロット
(右図) 図3 MSスペクトルおよび推定構造

その他の応用事例

  • ポリマー中の添加剤や医薬品の劣化成分の探索 など
  • 良品vs不良品や現行品vs開発品の差異解析 など

高分子分析の中で、市販のお茶のLC/MS測定を行い、多変量解析を用いることで、試料間のわずかな差異を見つけ出し、その差を発現している成分の構造推定を行った事例をご紹介しました。

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