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極薄局所領域の欠陥が可視化できます

近年、注目を集めている材料の中にグラフェンを代表とする低次元物質系があります。低次元物質はその特異な物性、電子構造により電子デバイスやフレキシブル透明電極、センサーなどへの応用が期待されています。低次元物質の評価には各種分光法や顕微鏡法が利用され、走査型プローブ顕微鏡(SPM)もその1つです。ここでは、グラフェン表面下の欠陥を観察した事例をご紹介します。

グラフェンの走査型超音波顕微鏡観察

試料はシリコン基板上にテープ剥離法により転写したグラフェンです。図1のAFM像からはテラスステップ構造が確認できました。図2の超音波原子間力顕微鏡像からは、形状像で観察されない帯状の内部欠陥が観察されました(矢印部)。上記のような欠陥は物性に与える影響が大きいですが、分光法的手法や電子顕微鏡的手法では可視化することは困難であり、SPMの有効性を示す1つの事例であると言えます。また、超音波原子間力顕微鏡では弾性率既知の標準試料を別途測定していれば、半定量的に弾性率を算出することも可能です。

図1 グラフェンのAFM像(4μm□スキャン)
図2 グラフェンの超音波原子間力顕微鏡像(4μm□スキャン)

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