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材料表面へのタンパク質吸着性が評価できます

医療・生体用に使用される高分子材料では、生体中に含まれるタンパク質が吸着することによって、性能低下や血栓発生などのさまざまな問題が生じます。また、ろ過槽のフィルターではタンパク質などの汚れの吸着が目詰まりの原因となります。タンパク質の吸着性は材料の組成やコーティングの有無などで変化します。ここでは、SPMによって各種材料表面のタンパク質吸着性を評価した事例を紹介します。

各種材料のタンパク質の吸着力測定

タンパク質(牛血清アルブミン:BSA)を修飾したカンチレバーを水中で各種材料 (PET、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデン)に接触させ、表面から引き離す過程のフォースカーブを測定しました〔図1〕。引き離し過程のフォースカーブの最大吸着力を材料表面とタンパク質の間に働いた最大の吸着力とし、 PET、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデンの吸着性を評価したところ、PETは最も低く、ポリ塩化ビニリデンは最も高いことわかりました〔図2〕。このように、表面のタンパク質の吸着性を材料間で相対比較することが可能です。

図1 フォースカーブの概略図
図2 各種材料の最大吸着力マッピングとヒストグラム

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