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元素の価数とその分布状態がわかります

無機物において、その結合状態や酸化状態によって特性が異なることが多くあります。蓄電池をはじめとするエレクトロニクス分野でも、無機物の価数とその分布状態を調べたいというニーズがあります。ここでは、電子エネルギー損失分光法(Electron Energy Loss Spectroscopy,EELS)を用いて薄膜全固体電池中でMnの価数を評価した事例を紹介します。

薄膜全固体電池中のMn価数分布

正極材にLiMn2O4を用いた薄膜全固体電池について、TEM-EELS測定にて充放電試験前後のMn価数を調べました(EELSスペクトルにおいて、Mn(Ⅲ)は644eV、Mn(Ⅳ)は645eVにピークが現れます)。その結果、ある特定条件の充放電試験後に、正極材層中でMn(Ⅳ)が増加していることが確認されました。 また、Mn(Ⅲ)由来ピーク(644eV)強度のマッピングにより、正極側でMn(Ⅳ)の割合が多い傾向が見られました。

図1 薄膜全固体電池の断面TEM像
図2 Mn(Ⅲ)の分布(644eVの強度マッピング)とEELSスペクトル

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