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3D-TEMによりナノ粒子を三次元観察することができます

新たな機能を発現させる有効な手段として、さまざまな材料中にナノメートルスケールの構造を導入することが検討されています。これらの材料開発を加速するためには、設計通りのナノ構造が形成されているかを三次元的に把握し、材料特性と相関付けた考察が重要となります。 その有力な手法として、“電子線トモグラフィー(3D-TEM)によるナノ材料の三次元構造解析”を紹介します。

触媒粒子の三次元分布状態の観察

3D-TEMの分析事例として、触媒担持カーボンを観察した事例を紹介します。図1に試料をTEM観察した像を示します。
数10nmサイズのカーボン粒子に低輝度で観察される数nmサイズの触媒粒子が担持されている様子が確認できます。この像の赤枠で囲った箇所について、試料を連続的に傾斜撮影したTEM像シリーズをもとに、計算機トモグラフィーの原理により三次元再構成を行った結果が 図2です。こちらの立体像ではカーボン粒子を緑色、触媒粒子を赤色に着色して表示してあります。TEMの像は透過像であるため、二次元の像から触媒粒子がカーボンの表面にのみ存在するのか、内部にも存在しているのかを判断することは難しいですが、三次元観察を行うことで、明瞭に確認することができます。本試料では、内部にも触媒粒子が確認できました。また、得られた三次元再構成像をもとに数値解析を行うことも可能です。触媒粒子の粒度分布を解析した結果を図3に示しました。このように具体的な数値を算出することで、より詳細な考察が可能となります。

図1 触媒担持カーボン粒子のTEM像
図3 触媒粒子のサイズ分布
図2 触媒担持カーボン粒子の立体像

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