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極性ポリマーの分子量測定には光散乱検出器が有効です

分子量は、ポリマーの引っ張り強度、粘性、接着性といった物理的性質に大きく影響します。その分子量を求める方法として知られているゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)には、得られる分子量が標準試料の換算分子量となることや、標準試料が存在しない領域の高分子量ポリマーおよびカラム充填剤と相互作用を起こすポリマーの分子量を正確に算出できないといった問題があります。これに対して光散乱(LS:Light Scattering)検出器を搭載したGPC(GPC/LS)では、標準試料を使用することなくポリマーの真の分子量が求まり、溶出時間に関係なく正確に分子量を求めることができます。また同時にポリマーの分子サイズ(回転半径)も算出できます。

イオン性ポリマーの絶対分子量測定

図1 イオン性ポリマーのGPC測定結果(RI検出)
図2 イオン性ポリマーのGPC/LS測定結果

分子内に極性基を有するポリマーは、カラム充填剤との相互作用の影響で正常に溶出しないため、一般的に塩などを添加してGPC測定を行います。イオン性ポリマーのGPC測定[示差屈折率(RI:Refractive Index)検出器での検出、図1]では、同じ試料にもかかわらず、溶離液組成によって溶出時間が変動し、標準試料の検量線から求めた分子量は異なる数値で算出されました〔表1〕。

表1 GPCとGPC/LSの比較

全く同じイオン性ポリマーのGPC/LS測定〔図2〕では、溶出時間が変動してもその影響を受けずに同等の分子量を得ることができました〔表1〕。また、標準試料を使用することなく分子量を求めることができます。
このように、溶離条件が定まらないポリマーの分子量を求める場合は、GPC/LSが有効です。

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