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GPC/LSでは高分子量成分の高感度検出が可能です

ポリマーの分子量は引っ張り強度、粘性、接着性のような物理的性質に大きく影響します。その分子量を求める方法としてゲル浸透クロマトグラフィー[GPC:Gel Permeation Chromatography、示差屈折率(RI:Refractive Index)検出器が一般的]が知られていますが、得られる分子量が標準試料の換算分子量となることや、標準試料が存在しない領域の高分子量ポリマーを正確に算出できない問題があります。これに対して、さらに光散乱(LS:Light Scattering)検出器も搭載したGPC(GPC/LS)を用いると、標準試料を使用することなくポリマーの真の分子量を求めることができ、また、RI検出器に比べて高分子量成分を高感度に検出することが可能です。

水溶性ポリマーの絶対分子量測定

図1 水溶性ポリマーのGPCクロマトグラム
図2 水溶性ポリマーの溶出時間 vs分子量プロット

全く同じ水溶性ポリマーを70℃,80℃,95℃の3条件で溶解し、GPCおよびGPC/LS測定を行いました。図1にRI検出によるGPCクロマトグラムを示します。溶解温度が80℃,95℃では単一ピークでしたが、70℃ではその高分子量側にもピークが検出されました〔図1緑矢印〕。 
同一溶液をGPC/LS測定したところ〔図2〕、溶解温度95℃ではRI、LSともに単一ピークでしたが、80℃ではRIは単一ピーク、LSはわずかにその高分子量側にもピークが見られ、 RIでは検出できない微量の高分子量成分が存在することがわかりました〔図2 青矢印〕。また、溶解温度70℃ではRI、LSともに高分子量側にピークが確認されました〔図2 緑矢印〕。
この高分子量側のピークは会合体由来と推定され、この水溶性ポリマーは、95℃で溶解する必要があることがわかりました。
このように、 GPC/LSはRIでは検出できない高分子量成分の高感度検出が可能です。
その他、標準試料が存在せず、較正曲線を外挿するような高分子量ポリマーの分子量測定も、RIよりLSが有効です。

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