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延伸過程におけるフィラー分散状態の変化が観察可能です

熱伝導性、電気伝導性、強度等の特性向上のためにフィラーを添加した高分子材料において、サブµm~µmレベルの凝集体を形成するフィラーの分散状態を把握することは極めて重要です。また、変形を伴う様々な環境下で材料を使用すると想定した場合、変形に対するフィラーの分散状態の変化を解析し、得られた知見を材料設計にフィードバックすることが有効となります。ここでは、サブµm~µmレベルでの高分子材料の構造観察を得意とする冷却FIBSEMを用いて、延伸前後の粘着剤変形過程におけるフィラーの凝集体分散状態の変化を観察した事例を紹介します。

粘着剤延伸過程におけるフィラーの分散状態の変化

冷却FIB加工

粘着剤を常温FIB加工すると熱ダメージが生じてしまい、明瞭な像を得ることができませんでした。しかし、冷却機能を用いて加工することで、ダメージを抑制ができ、明瞭な断面SEM像を得ることが可能となりました〔図1〕。

図1 FIB加工による断面SEM像(Ⅰ:常温加工、Ⅱ:冷却加工)

延伸過程のフィラー分散状態の三次元観察および定量化

延伸前後の試料について、冷却FIB-SEMによる三次元観察を行いました。その結果、試料を延伸することで、延伸方向にフィラーの凝集体が変形することがわかりました〔図2,3〕。また、三次元画像解析により、凝集体のサイズが小さくなっていることが定量的に明らかとなりました〔図5〕。

図3 冷却FIB加工による断面SEM像
(A:延伸前,B:延伸後)
図4 三次元再構成像
(A:延伸前,B:延伸後)
図2 試料の模式図
図5 フィラー球相当粒子径
解析結果(A:延伸前,B:延伸後)

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