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低ダメージ+高感度な元素マッピングが可能です

工業製品の開発において、形態観察と元素分析を組み合わせた評価は必要不可欠です。多様化する工業製品は、金属や有機、無機成分が微小な領域で混在しており、各成分を漏れなく評価するためには、低ダメージ+高感度な測定が求められます。本資料では、SEM-EDXの直上法(フラットSEM-EDX)を用いた、燃料電池触媒層の分析事例を紹介します。

EDXの解説はこちらをご覧ください

フラットSEM-EDX

SEM-EDXの元素マッピングは、元素の分布情報を可視化できる手法です。図1に、SEM-EDX検出器と試料の位置関係を示します。斜め挿入型SEM-EDXの元素マッピングでは、試料と検出器の位置に距離があることで、強い電子線を必要とするため、ダメージに弱い試料や微量の軽元素の測定が困難です。一方で、フラットSEM-EDXは、試料の直上に検出器を配置することで、加速電圧を下げても、特性X線の検出効率が高く、斜め挿入型SEM-EDXに比べて、低加速電圧や短時間での測定が可能です。さらに、測定時の加速電圧を下げることで、試料内への電子線の潜り込み深さが浅く、電子線の広がりが抑制されるため、分解能の高いマッピング像を得ることができます。また、潜り込みが浅いので、従来よりも表面の元素情報が得られます。

図1 SEM-EDX検出器と試料の位置関係

燃料電池触媒層の断面元素マッピング

図2は、燃料電池触媒層の断面元素マッピングを行った事例です。触媒層は、電子線ダメージに弱いフッ素が含まれているため、低加速・短時間での測定が求められます。同じ加速電圧・測定時間でマッピングを行った場合、斜め挿入法では、測定領域全体の検出感度が低く、各元素の強度分布を確認できません。一方、直上法では矢印で示した箇所のように、場所によって各元素の検出強度に差があることが確認できます。これにより、SEMの組成像だけでは判別が難しい、触媒層内のCやFの分布を確認することができます。

図2 燃料電池膜触媒層の断面元素マッピング像 (測定条件:加速電圧:4kV、測定時間:10min)

その他の応用

  • 熱や電子線ダメージを受けやすい試料の分析
  • 薄膜の断面分析

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