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無機元素がどの分子量成分に含まれているかわかります

試料のポリマー、オリゴマー、低分子量成分に無機元素が含まれていることがあり、それを調べることは製品設計や特性を把握するために重要です。無機元素のトータル含有量はXRFやICP等で定量できますが、どの分子量の成分にどれだけ含まれているかは分析できませんでした。そのために新たな手法として、SEC(GPC)と組み合わせたSEC-ICP-MSにて評価しました事例を紹介します。

粘着剤中の硫黄含有成分の特定

硫黄(S)を含有した粘着剤についてSEC(GPC)測定で分子量分布を確認した後〔表1,図1〕、同条件にてSEC-ICP-MS を実施しました。その結果、硫黄(S)はポリマー成分には含まれず、主にオリゴマー成分および低分子量成分中に含まれていることが明らかとなりました〔表2,図2〕 。また硫黄(S)の検量線より、オリゴマーおよび低分子量成分中のS量は試料全体に対して1.8wt%、0.2wt%であると算出できました。

表1  THF系GPC結果(ポリスチレン換算)
表2  SEC-ICP-MSでのS定量結果
左図1 THF系GPCクロマトグラム 右図2 SEC-ICP-MSクロマトグラム(S検出)
     *SEC(RI)についてICPとの検出時間1.5minを補正

その他の応用

  • ポリマーやゴムに含有している元素の分子量に対する濃度分布
  • 粘着剤や接着剤中の連鎖移動剤,シランカップリング剤の反応成分確認
    *SEC(GPC)でのカラム分離になるため、溶媒に可溶な成分での評価になります

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