動的SEM観察技術~リチウムイオン電池への適用事例紹介~
近年、リチウムイオン電池はスマートウォッチやウェアラブル端末をはじめ、多様な機器に搭載されるようになり、その形状や使用環境に合わせて“曲げられる”フレキシブル性が求められています。こうした新しいニーズに応えるためには、電池を実際に屈曲させながら内部や界面の変化を直接観察し、劣化や構造変化をその場で捉える評価技術が欠かせません。
リチウムイオン電池の開発課題例

リチウムイオン電池は様々な用途で用いられており、近年、特に普及が進むウェアラブル機器では、形状flex性が求められています。
| 課題 | 因子 | 影響 |
|---|---|---|
| 電極の柔軟性 | 電極材料・材料選定 | 保証期間・寿命 |
| 薄型化 | 電極膜厚・短絡 | 安全性・歩留まり |
| 製品の耐久性 | 材料安定性 | 顧客スペック・信頼性 |
電極の柔軟性の改良

柔軟性UPさせると機械的強度が不足し、微細クラックや剥離の発生から性能の低下に直結します。
微細クラックや剥離は外観試験で検出困難です。顕微鏡下で試験を行うことで実際の変化をリアルタイムで取得でき、破壊の過程を可視化し機能改良のヒントが得られます。
当社が提供する”動的SEM観察”は、まさにこの要求に応える手法であり、リチウムイオン電池の信頼性・耐久性評価に有効なアプローチとなります。
動的SEM観察とは?
試料を単に固定した状態で観察する従来のSEM(走査電子顕微鏡)とは異なり、その場で力を加えたり、曲げたり、加熱したりといった外部刺激を与えながら、微細構造の変化をリアルタイムで観察できる手法です。
今回はリチウムイオン電池の電極を屈曲しながらSEM観察し、クラックの発生する様子をin-situ観察しました。
リチウムイオン電池の分析事例
SEM装置内で曲げ試験を行い、in-situでSEM観察を実施し破壊過程を可視化できます。
分析開始

500µm圧縮

2,500µm圧縮


従来のSEM観察では、破壊の「前」と「後」しか比較できず、機能改良につながる重要な手がかりを見逃してしまうことがありました。しかし、当社独自の治具を用いることで、SEM像を“動画”として記録できるようになり、微小部の形状変化のプロセスを手に取るように把握することが可能となりました。得られた知見を材料特性の見直しに活かすことで、電極強度の補強や製品信頼性の向上に役立てることができます。
関連分析事例
材料設計への活用 と その他の展開
動的な観察は製品改良に強力な評価法となります。
変形方法も多種ラインナップがございます。お気軽にご相談ください!
従来品

改良品

分析結果から材料や配合を変更するなど、破壊挙動を把握すれば特性改善のヒントをみつけることが可能です。
その他の展開
ご希望の試験環境を再現




歪み解析への適用も可能
