本文へリンク

多層材料の剥離要因を可視化する界面密着エネルギー解析

多層製品における剥離トラブルと開発課題

近年の高機能化・薄膜化に伴い、製品は多層構成が主流となり、温度や湿度のような使用環境や経年変化によって一部が剥離するトラブルが増加しています。

従来は「密着力不足」として一括りにされがちでしたが、実際には界面が原因なのか、材料(バルク)の変形や劣化が原因なのかを見極めることが重要です。SAICASを用いた界面密着エネルギーの算出により、密着力低下の要因を定量的に評価し、問題の本質に迫ることが可能です。

界面密着エネルギー解析による剥離要因の切り分け

従来の剥離試験で得られる密着力は、界面密着とバルクの変形が合算された値であり、要因の切り分けが困難でした。SAICASでは理論と測定技術を組み合わせることで、界面密着エネルギー、摩擦エネルギー、バルク変形エネルギーを分離して評価できます。これにより、密着力低下の要因が「界面」なのか「材料側」なのかを明確に判断でき、無駄な材料変更や試作の削減につながります。

従来の剥離試験による解析

従来の剥離試験機により得られる密着力はバルクの変形+界面密着の合算値であり、密着力を数値化出来るが、要因の切り分けは出来ない。

SAICASによる解析

PET厚みを変え、界面密着エネルギー解析を実施したところ、界面密着エネルギーはほぼ変わらず、バルクの変形エネルギーに差異が認められた。

剥離要因の把握による製品改良と評価展開

界面密着エネルギー解析により剥離要因を特定することで、材料改良の方向性が明確になり、設計検討を効率化できます。フィルムや接着剤を含む多層材料全般に適用可能で、特に薄膜材料の評価に有効です。さらに温度制御下での測定により、実使用環境を想定した評価が可能となり、信頼性向上と開発期間短縮を同時に実現します。

界面密着エネルギーの適応範囲

  • フィルム、接着剤などを含む多層材料全般に活用可能
    特にピール試験が困難な薄膜材料の評価に有効
  • 温度ステージと組み合わせることで、使用環境を想定した実環境下での密着性評価にも対応可能
  • 剥離面について、形態観察(剥離位置の特定)や組成分析(残渣成分)との組み合わせも有効
温度制御サンプルサイズ厚み
-50℃~150℃2cm角以上数μm~数10μm

お問い合わせ・ご相談

高分子分析、形態観察、表面分析、組成分析など、評価・分析に関するご質問・ご依頼はお気軽にお問い合わせください。