環境下での材料変化を見える化し、不具合原因を特定するin-situラマン解分析技術
環境変化で起こる製品トラブルを“その場分析”で解決
製品の割れや性能ばらつきなどの不具合は、製造直後では問題がなくても、温度や湿度、応力といった環境変化の中で発生するケースが多くあります。このような現象は従来の事後解析では原因特定が難しく、対策が後手に回りがちです。本技術では、使用環境を再現しながら材料の構造や成分の変化をリアルタイムで追跡することで、「どのタイミングでどのような変化が生じたのか」を捉え、不具合発生の要因に迫ります。

使用環境によって起こる割れや耐久性の低下などの原因は、環境変化に伴う材料の組成変化、分散ムラ、結晶性の低下、配向変化などの「組成・構造変化」の可能性があります。

環境を再現しながら材料変化を顕微ラマンでその場で分析し、実使用環境下で不良・性能向上の理由を可視化します。
ラマンで分かること
- 成分分布
- 結晶性
- 分子配向
- 応力状態
加湿熱環境下での日焼け止めの分析事例
in-situラマンでは、温度・湿度・水中・応力などの条件を制御しながら測定できるため、実際の使用環境に近い状態で材料挙動を観察できます。例えば、日焼け止めを高温高湿下で評価することで、成分分布の変化(分散状態の変化)を把握し、耐久性低下の要因を捉えることができました。独自治具と高分解能測定を組み合わせることで、微小領域の変化も見逃さず、原因不明だったトラブルを定量的に議論できるようになります。
適用事例
自社開発品において、高温多湿環境で発生する耐久性低下の原因を解明したい。
評価方法
独自の治具と顕微ラマンを組み合わせることでその場観察(in-situラマン)を実現。

評価結果
高温多湿環境下で成分Aの分散性が低下が見られ、この分散の崩れが耐久性低下に影響していると判明。

技術の強み
使用環境を再現
温度・湿度・水中・延伸圧縮に対応
その場測定
環境負荷下での「変化過程」を観察
微小領域分析
空間分解能0.5µm, 深さ1µm
材料設計への活用とその他の展開
リアルタイムで得られた分析データは、材料配合や構造設計の見直しに直接活用できます。例えば、環境負荷時でも分散状態を維持できる配合への変更や、加工時の配向変化の最適化など、具体的な設計検討に反映できます。さらに従来品との差分を明確に示せるため、開発成果の裏付けや顧客説明にも有効です。不具合対応にとどまらず、製品競争力を高める設計指針の確立に貢献します。
材料設計への活用

耐久性向上につながる配合成分・条件を特定し、材料変化の可視化により特性改善の材料設計が可能に!
その他の展開-用途例
- 加工中の構造・配向変化の評価
- 分散状態・成分偏析の可視化
- 不具合原因の解明、性能低下の要因解析
例. 加熱(80℃)延伸に伴うPETの配向変化を可視化
