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エマルションの組成と成分分布が同時にわかります

顕微ラマン分光装置によるマッピングは、サブミクロン~ミクロンオーダーで成分分布を有する材料について、その組成や構造に関する情報を得るのに有効な手法の一つです。顕微赤外分光装置によるマッピングと比較すると、一桁高い空間分解能を有しており、また、水分による影響が比較的小さいことから、水中での試料の測定や、エマルションの測定が可能です。今回はO/W(水中油)型エマルションの組成と、その成分分布を調べた事例を紹介します。

O/W(水中油)型エマルションの組成分布解析

図1 顕微ラマンマッピングによる成分A(ドメイン部)の分布像
図2 顕微ラマンマッピングによる成分B(マトリックス部)の分布像
図3 図1および図2の分布像の重ね合わせ
図4 成分Aと成分Bのラマンスペクトル(平均スペクトル)

O/W型エマルションについて、そのままの状態で顕微ラマンマッピング測定を行いました。図1,2のラマンマッピング像から、0.4~2μm程度のドメインを有する海島構造を形成していることがわかりました。また、ドメイン部およびマトリックス部のそれぞれにおけるラマンスペクトル〔図4〕より、ドメイン部(成分A) は不飽和脂肪酸エステル、マトリックス部(成分B) は水であることがわかります。このように、ラマンマッピング測定を行うことで、複数成分を含有する試料において、各成分の組成とその成分分布を同時に調べることが可能になります。

その他の応用

  • 多層フィルムの層構成分析
  • 有機/無機複合材料の組成分布解析
  • 高分子相分離構造の分布解析
  • カーボン材料の構造分布解析

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