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ブレンド?共重合体?がわかります

高分子材料は求められる機能を発現させるため、1種類のポリマーだけでなく、複数種のポリマーがブレンドされている場合があります。また、ポリマー自身も機能付与のため、複数のモノマーの共重合体が広く利用されています。高分子材料の詳細組成を明らかにする場合、核磁気共鳴装置(NMR)が利用されます。しかし、NMRでは複数のポリマーのブレンドか、共重合体もしくはそれらのブレンドか、などを明らかにすることが困難です。そのため、詳細組成の把握にはポリマーを分離する必要があります。ここでは液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いてそれらを判別する手法を紹介します。

スチレン系ポリマーのブレンド/共重合の判別

試料にはポリスチレン(PS)およびスチレン系ポリマーであるスチレン-アクリロニトリル共重合体(AS)、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体(MS)、スチレン-ブタジエン-スチレン ブロック共重合体(SBS)の4種混合物を用いました。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)による分子量分離では、これら4種のポリマーは分子量が近似しているためにピークが重なってしまい各成分を分離することが困難です〔図1〕。一方、HPLCを用いてポリマーの極性の違いを利用して分離すると、極性の高い方から順に溶出し、試料には4種のポリマーが混合されていることを明らかにできます〔図2〕。配合が未知の試料の場合には、HPLCの検出器にNMRを利用したLC/NMRを用いることで、ポリマーの組成を同定することも可能です〔図3〕。このようにHPLCを用いてポリマーを分離することで、詳細なポリマー組成を明らかにすることが可能です。

図1 各ポリマーのSECクロマトグラム
図2 4種のポリマー混合物のHPLCクロマトグラム
図3 HPLCで分離したMSの1H NMRスペクトル

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