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樹脂中の微小異物をそのまま分析できます

透明な樹脂やフィルム中の異物は容易に確認されてしまうため、製品の外観不良につながるだけでなく、製品の性能に影響を及ぼすこともあります。通常、樹脂やフィルムの内部に存在する異物の組成情報を得るには、切削、切片、採掘などの前処理が必要となりますが、異物のサイズが小さくなるほど、これらの前処理が困難となります。このような場合、顕微レーザーラマン(顕微LR)のコンフォーカル機能が威力を発揮します。

透明樹脂中の異物分析(顕微LR)

図1 異物の光学顕微鏡写真
図2 コンフォーカルマッピング

樹脂表面から約100μmの深さ位置に約10μmφの白色異物が確認されました〔図1〕。異物部にレーザーの焦点を合わせ、異物の上下25μmの範囲を1μmステップでコンフォーカル測定しました。その結果、図2の☆部に異物の情報が含まれることがわかり、その部分と正常部分〔図2□部〕の顕微LRスペクトル〔図3〕を比較すると、○印のピークに差異が確認されました。差スペクトルの結果〔図4〕 、異物は炭酸カルシウムであることが判明しました。このように、透明樹脂であればコンフォーカル測定により、前処理無しでも異物の同定が可能であることが示唆されました。

図3 異物部および正常部の顕微LRスペクトル
図4 差スペクトル(異物部-正常部)

コンフォーカル測定とは

検出器の前にコンフォーカルホールを設けることにより、集光部(焦点の合った場所)の情報をより効率的に検出する顕微LRにおける測定手法です。

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