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樹脂の硬化反応過程がリアルタイムでわかります(その1)

UV硬化型樹脂について、UV光を照射しながら、その硬化過程における変化を高速スキャンFT-IRを用いて追跡することが可能です。アクリレート系UV硬化型樹脂の硬化反応初期においては、不飽和C=C結合が多く存在しています。硬化過程におけるC=C結合をモニターすることで硬化反応を追跡することができます。 ここでは、アクリレート系UV硬化型樹脂について、その硬化反応を評価した事例を紹介します。

アクリレート系UV硬化型樹脂の硬化反応評価

図1にアクリレート系UV硬化型樹脂の硬化前後の赤外スペクトル(2000-700cm-1)、図2に、UV照度を50mW/cm2,硬化過程を0.7秒間隔でリアルタイム測定を行った時間分解スペクトルを示します。UV光照射前後の赤外スペクトル(図1:━硬化前,━硬化後)を比較すると、C=C結合由来のピーク(1640-1620cm-1,1430-1400cm-1,820-800cm-1)の減少が確認され、さらにはエーテル結合由来のピーク(1300-1000cm-1)やエステル結合由来のピーク(1730cm-1付近)の半値幅がブロードに変化していることが判ります。また、図2により、UV光照射とほぼ同時に、硬化反応が進んでいることがわかります。さらに、図3にUV照度を変化させたときの、C=C結合の吸収強度の変化をプロット(A810/A832)した結果を示します。UV照度を上げると、C=C結合は早く減少し、硬化反応が早く進むことが判ります。

図1 UV硬化前後の赤外スペクトル(2000-700cm-1
図2 UV硬化過程における時間分解スペクトル(2000-700cm-1
図3 UV照度強度とC=C結合の吸収強度の変化

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