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サブミクロン~ミクロンオーダーの組成・構造分布がわかります

顕微ラマン分光装置によるマッピングは、サブミクロン~ミクロンオーダーで成分分布を有する材料について、その組成や構造に関する情報を得るのに有効な手法の一つです。エネルギーマテリアルを始めとする近年の高付加価値な製品の開発においては、材料を構成する成分の精密な空間配置の制御が必要となっていることから、微小領域での組成や構造分布解析のニーズが高まってきております。今回は、相分離構造を有するポリマーブレンドについて、各成分の組成を調べた事例を紹介します。

ポリスチレンとポリメチルメタクリレートのポリマーブレンドにおける組成分布解析

図1 顕微ラマンマッピングによる成分A(ドメイン部)の分布像
図2 顕微ラマンマッピングによる成分B(マトリックス部)の分布像
図3 図1および図2の分布像の重ね合わせ
図4 成分Aと成分Bのラマンスペクトル(平均スペクトル)

相分離構造を有するポリスチレンとポリメチルメタクリレートのポリマーブレンドについて、顕微ラマンマッピングを用いて観察しました。図1~3のラマンマッピング像からは、0.4~3μmのドメインを有する海島構造を形成していることがわかります。また、ドメイン部(成分A)およびマトリックス部(成分B)のそれぞれにおけるラマンスペクトル〔図4〕を得ることで、ドメイン部はポリスチレン、マトリックス部はポリメチルメタクリレートであることがわかりました。このように、サブミクロンオーダーで成分分布を有する材料の組成や構造に関する情報を得ることが可能となります。

その他の応用

  • 多層フィルムの層構成分析
  • 有機/無機複合材料の組成分布解析
  • カーボン材料の構造分布解析

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