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高分子の結晶の状態が分かります

高分子の結晶の状態は、材料の熱・機械特性などに影響します。このため、高分子の結晶・非晶構造を把握することは製品や材料の開発・改善を行う上で重要です。X線回折(XRD)は材料の内部構造を非破壊で測定・解析でき、高分子の結晶の状態を調べるのに適した方法です。ここでは、高分子材料として天然ゴムについて調べた事例について紹介します。

天然ゴムの結晶状態変化

図1に天然ゴムのX線回折像およびX線回折プロファイル(X線回折像を円周方向に積分して取得)を示します。X線回折像の中心がX線回折プロファイルの2θ=0°で、X線回折像の外側に行くと2θの値が大きくなります。天然ゴムは未延伸の状態では非晶状態であり、X線回折像はブロードな散漫散乱のみになります。一方、天然ゴムを延伸するとゴム分子の配向結晶化が起こり、非晶成分の散漫散乱に加え、X線回折像は結晶成分が配向して存在していることを示す、アーク状の明るい回折像に変化します。更に、X線回折プロファイルの各ピークの積分値の比率から結晶化度が、X線回折像の明るいスポットの幅から結晶部の配向度が、それぞれ評価できます。下図では、延伸により結晶が形成されていることが確認でき、結晶化度は5倍延伸が12%、8倍延伸が21%、配向度は5倍延伸が93%、8倍延伸が95%と算出されました。

図1 天然ゴムのXRD測定結果 (上)X線回折像 (下)X線回折プロファイル

その他の応用

  • 材料成分の同定、結晶化度算出、配向度解析
  • 結晶構造解析(格子定数精密化、結晶子径算出)、膜密度分析、残留応力評価

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