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SPME法により水中の微量揮発性成分の分析が可能です

揮発性成分の分析における試料前処理法では、試料をサンプル瓶に密閉して加熱し、発生したガスを測定するスタティックヘッドスペース(Static Head Space:SHS)法が一般的によく用いられておりますが、分析装置に導入できるガス量には限りがあるため、微量揮発性成分については感度不足に悩まされるケースが多々あります。
弊社では、このような微量揮発性成分の試料前処理法として、固相マイクロ抽出(Solid Phase Micro Extraction:SPME)法を用いております。SPME法では液相をコーティングしたファイバーを発生ガス中で暴露することで、ファイバー上に ガス成分を吸着し、その後、分析装置内で加熱脱着することで、高濃度の試料を導入することが可能です。

洗浄水中に含まれる微量有機成分の分析

使用済みのガラス容器の洗浄に用いた水に含まれる微量有機成分について、SHS法とSPME法を用いてそれぞれ前処理を行った後、ガスクロマトグラフィー/質量分析計(GC/MS)にて分析した結果をご紹介します。  本分析では洗浄水をサンプル瓶に採取して密閉した後に、SHS法では80℃で30分間加熱したガスを、SPME法では80℃で加熱したサンプル瓶に30分間暴露したファイバーをそれぞれGC/MSへ導入しました〔図1〕。その結果、図2に示す通り、いずれの手法においても有機溶剤やモノマーに由来する成分が確認できましたが、SHS法では5成分しか検出されなかったのに対して、SPME法では合計15成分が検出され、洗浄水中にはSHS法で確認できなかった多数の微量成分が含まれていることがわかりました。

図1 洗浄水の試料前処理法
図2 洗浄水のGC/MS測定結果(トータルイオンクロマトグラム)

その他の応用

  • 飲料物中の臭気成分の分析
  • 気体中に含まれる微量成分の分析
  • 固形物中の揮発性成分の分析  など

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