CFRP接合部の断面形態観察が可能です
次世代産業(航空機、次世代自動車)の主要部材である炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、異種材料との接合性を向上させることで飛躍的に応用が拡大します。接合における課題克服には、まず断面形態観察により接合状態を詳細に把握することが重要です。弊社の断面試料作製技術を集約することで、断面作製が困難な異種材料接合部であっても詳細な形態観察が可能になります。
分析事例:CFRP/Al線, Ti線 接合部の断面SEM観察
CFRPとAl線, Ti線との複合体を作製し〔図1〕、接合部断面をSEM観察した結果を図2に示します。電気化学的な腐食や熱膨張の影響でCFRPとの長期接合がTiよりも不利とされるAlは、複合体作製直後であってもCFRP/Al界面にボイドが多く観察されました(例えばb)。一方、CFRP/Ti界面には、Ti線の形状異常部以外にボイドは観察されませんでした(c)。また、CFRP内部においてAl,Tiの線方向とCFRP炭素繊維の繊維方向が平行な領域(||)は垂直な領域(⊥)よりもプレス時の炭素繊維の移動が生じ易く、その結果、多くのボイドが発生していることが確認されました(例えばa)。
その他の応用
- セラミック基複合材料などの高強度複合体と異種材料との接合部観察
高分子分析の中で、FE-SEMを用いて、次世代産業(航空機、次世代自動車)の主要部材である炭素繊維強化プラスチック(CFRP)について、断面作製が困難な異種材料接合部の詳細な形態を観察した事例をご紹介しました。