原子ステップの観察ができます
近年、注目を集めている材料の中にグラフェンを代表とする低次元物質系があります。低次元物質はその特異な物性、電子構造により電子デバイスやフレキシブル透明電極、センサーなどへの応用が期待されています。低次元物質の評価には各種分光法や顕微鏡法が利用され、走査型プローブ顕微鏡(SPM)もその1つです。SPMは、積層状態や電位状態の評価、電子デバイス化した際のin situ分析などに利用されています。今回は、最も基本的な形状観察から単原子ステップの観察事例を紹介します。
グラフェンのAFM観察
試料はシリコン基板上にテープ剥離法により転写したグラフェンです。光学顕微鏡下で確認できるグラフェンをSPMにて観察したところ、テラスステップ構造が確認できました〔図1〕。断面プロファイルから、シリコン基板とグラフェンの段差が約0.3nmと見積もられました〔図2〕。この数値はグラフェン1層の理論値(0.335nm)に近いことがわかりました。SPMは高さ方向の分解能が高く、低次元物質の評価に有効です。


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