AFMを用いて局所弾性率算出ができます
積層膜や薄膜の機械物性評価は高機能化の進む時代において、重要な評価手法として認識されてきています。これはナノインデンター(NI)の普及に伴い、ミクロンオーダーからサブミクロンオーダーの微小、薄層領域の評価手法が確立されつつあることが背景にあります。ただ、NIでは圧子の大きさや荷重により平面分解能に制限を受けます。そこでAFMを用いた弾性率算出に注目が集まっています。AFMでは探針先端の曲率が10nmφ前後であることから、非常に微小な領域での測定が可能です。さらに面内走査することで数100nm□~100μm□の領域での弾性率マッピングもできるようになっています。各AFM装置メーカーも局所機械物性評価手法の開発に注力し、手法として数種類のバリエーションがあります。ここではAFMを用いた弾性率算出に着目して、それぞれの手法と特徴の概要を説明します。
手法,適用材料,特徴
*1 :オックスフォード・インストゥルメンツ社特許技術
応用事例
- 高分子ブレンド、相分離界面の解析、フィラー/樹脂界面の解析、高分子接着界面の解析
- 液中環境下での弾性率イメージング
- 極表面領域における弾性率深さ依存性
- 金属合金層の解析
- 薄膜セラミックスや積層セラミックスの弾性率算出など