洗浄剤中の添加剤を明らかにすることができます

洗浄剤には汚れの洗浄成分である界面活性剤の他に、製品の品質を保つための添加剤が含まれています。これらの成分は分子量や極性が異なることから、幅広い極性範囲の成分を分離できるLCでの評価が有効です。ここでは、検出器としてUV検出器と質量分析計（MS）を用いて、洗浄剤中の添加剤を分析した事例（LC/UV/MS分析）を紹介します。

市販洗浄剤の添加剤分析

市販の洗浄剤のLC/UV/MSクロマトグラムを図1に示します。LC/UV/MS分析では、UV検出器でUV活性成分の有無、MS検出器でポジティブ（＋）とネガティブ（ー）の両イオンの質量情報が得られます。本試料ではTICクロマトグラムおよびUVクロマトグラムから複数の成分（A～F）が確認されました。図2に示したピークFのマススペクトルの精密質量から元素組成やポリオキシエチレンの繰返しの組成情報が得られました。図1で検出された他のピークについても同様に解析した結果、洗浄剤中に3種類の界面活性剤（D，E，F）、その他に安定剤（B，C）、金属封止剤（A）の存在が明らかとなりました〔表1〕。