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エンジニアリングプラスチックの寿命予測

高温で長時間利用される燃料電池や二次電池、それらに関する電池ケースやスペーサーなどの樹脂製品の耐久性(寿命)を使用環境下で確認するには、何年もの時間が必要です。また、電装部品や車載部品のように使用環境温度がさまざまな製品については、複数条件の耐久性試験が必要になり、実際の環境での確認は現実的ではありません。そこで現状では、各種シミュレーションを用いて耐久性を評価しています。
当社では、シミュレーションのひとつであるアレニウスの式を用いることで、熱重量示差熱分析(TG/DTA)測定結果から製品の使用温度における耐久性を予測できます。ここでは、エンジニアリングプラスチックの一種であるポリフェニレンエーテル(PPE)について、耐久性評価を行った事例を紹介します。

ポリフェニレンエーテル(PPE)の寿命予測

TG/DTAを用いて、昇温速度を変えてPPEを測定した結果を図1に示します。この結果をもとに任意の重量減少量での温度の逆数と昇温速度の対数をプロットしました〔図2〕。また、それぞれの直線の傾きから活性化エネルギーを算出し、定温劣化時間を求めました〔表1〕。今回測定したPPEは、200℃で重量が10%減少するまでに7740日≒21年必要ということがわかりました。
このようにTG/DTAを用いれば、使用環境に応じた温度で、任意の重量減少が起こるまでの時間が算出でき、寿命予測が行えます。

図1 PPEのTG/DTA測定結果
図2 PPEのアレニウスプロット

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