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大気汚染低減に貢献 燃料中の窒素、リン、硫黄系化合物の検出・解析

燃料やプラスチック製品など、多くの用途で使用されている石油は、使用する過程で硫黄成分、窒素成分から成るSOx、NOxやCO2が排出されるため、大気汚染の原因となり、問題となっています。この対策として、窒素、リン、硫黄系化合物の含有成分量を削減したクリーンな燃料、サルファーフリー燃料の開発が進んでおり、燃料中の含有成分量を知ることは重要です。
窒素(N)、リン(P)、硫黄(S)を含む化合物の検出は、ガスクロマトグラフィー(GC)の検出器であるNPD(窒素とリン系化合物の選択検出器)、FPD(硫黄系化合物の選択検出器)が有効です。当社では、これらの選択検出器と質量情報が得られる質量分析計(MS)の3つの検出器を組合わせることで、N、P、S系化合物を同時に高感度で選択検出、同定することができます。
ここではGC/MS/NPD/FPDを用いて、オイル中の添加剤を分析した事例を紹介します。

オイル中の添加剤の同定

オイル抽出液のGC/MS/NPD/FPD測定結果を図1に示します。GC/MS測定結果(上段:TICクロマトグラム)では、炭化水素の影響でその他ピーク(添加物由来)を確認することが困難です。しかし、NPD(中段)およびFPD(下段)では炭化水素は検出されないため、保持時間13min(①)と 23min(②)にピークが確認できます。①、② の各保持時間のMSスペクトルを取得して解析を行うと、図2のようになり、①は防錆剤と推察されるメルカプトベンゾチアゾール、②は酸化防止剤と推察される亜リン酸トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)であることが判明しました。このようにGC/MS/NPD/FPDは、夾雑ピークと重なった場合や多数のピークが存在する場合においても容易にN、P、S系化合物のピークを見つけだし、同定することが可能です。

図1 オイル抽出液のGC/MS/NPD/FPD測定結果
図2 図1中のピーク①,②のMSスペクトル解析結果

その他応用

  • プラスチック材料の微量添加剤分析
  • 臭い成分分析
  • 腐食性ガス分析
  • シリコーンなどの硬化阻害成分分析 

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