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変形過程を四次元(三次元+時間)で直接可視化できます

製品の機能発現や特性低下のメカニズムを理解するためには、「“その場”で何が起こっているか?」 を直接観測することが有効な手段となります。X線CT(Computed Tomography)は三次元構造を非破壊かつ大気下で分析できる手法として知られています。さらに、放射光施設の高輝度なX線を用いることで、四次元(三次元+時間)の形態観察が実現可能であり、実際に製品を使用する環境を再現しながら測定することが可能となります。

多孔性複合材料の変形過程

今回測定に使用した多孔性材料〔図1〕は、凹凸追従性、圧縮回復性などの柔軟性に加え、フィラー層により伝熱性や導電性といった機能を付与することが可能な材料です。この材料を圧縮すると特性値が変化するため、圧力印加による内部構造の変形過程を捉えることは重要です。測定は図2に示すように試料を治具に挟んで固定した後、高速回転かつ圧縮を加えながら、大型放射光施設(SPring-8 BL28B2)にて行い、10ミリ秒毎に、三次元像を取得しました。その結果、特性低下の原因となる基材樹脂やフィラー層の破壊過程を直接可視化できました〔図3,4 〕 。このように製品の使用環境を再現し、内部構造の変化を四次元で捉えることで、機能発現や特性低下のメカニズム解明に繋がることが期待されます。

図1 多孔性複合材料の概略図
図2 四次元CTの測定レイアウト
図3 圧縮開始から0秒後(左)、1秒後(中央)、2秒後(右)のCT再構成断面像
図4 図3の矢印箇所を拡大(破壊の過程を40ミリ秒毎に抽出)

測定条件など

  • 測定可能な試料サイズ 直径 5 mm×厚さ 5 mm以下
  • 空間分解能 5μm/pixel
  • 時間分解能 10 ミリ秒

参考文献:T. Kawanishi et al. Jpn. J. Appl. Phys. 62, 108002 (2023)

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