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厚み方向における広域断面の元素分布がわかります

燃料電池は発電時に温室効果ガス(二酸化炭素)を出さず、環境にやさしいクリーンなエネルギー源として研究開発が進められており、家庭用・自動車用と幅広い分野で展開されています。
燃料電池にはさまざまな部材が使用されており、その1つにガス拡散層(GDL)があります。多孔質構造で触媒層とセパレータとの間に設置されているGDLは、ガスを拡散する機能に加えて電気伝導や生成された水の排出流路としての役割を担っています。
発電の際に生成された水の排出をコントロールすることは重要で、GDLの孔内で水詰まりが発生した場合、ガスの拡散を妨げてしまい、発電性能をダウンさせてしまいます。その対策としてGDLへの撥水性の付与が一般的に行われており、その分布を可視化し、正確に把握することは、電池の発電性能向上に向けた材料設計につながります。
ここでは、フッ素樹脂で撥水性を付与させたGDLを厚み方向にて広範囲断面元素マッピングを実施した事例を紹介します。

燃料電池ガス拡散層の厚み方向広域断面元素マッピング

 断面調製を工夫することにより、フィルム状サンプルの厚み方向における元素分布の変化を、数100μm角レベルの広範囲で調べることが可能になりました。
 GDL表面〔図1、模式図XY面〕に平行な広域断面(600μm角、4断面)を調製し、SEM-EDXによる元素マッピングを行った結果を図2に示します。 撥水性を付与するためのフッ素樹脂は、内部から裏面にかけては比較的均一に存在していますが、表面付近では他の部分と比べて半分の面積分率しか存在しないことがわかりました。この分析により、厚み方向におけるフッ素樹脂の広範囲の分布が可視化でき、フッ素樹脂塗工条件の最適化へ繋がります。

図1 GDL観察箇所イメージ
図2 SEM-EDXによる広域連続断面Fマッピング像(600μm角)および光学顕微鏡(OM)像

その他の応用

  • 多孔質材料、 複合材料における厚み方向の元素マッピング
  • FIB-SEM(20μm角程度)よりも広範囲で元素分布を可視化したいサンプル

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