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ポリマーの耐酸化性を簡便に評価します

ゴム、プラスチック等の高分子材料は、さまざまな分野で使用されていますが、これらの高分子材料は一般に成型加工時や使用時に酸素存在下で熱酸化劣化反応が進行し、クラックの発生、強度の低下、分子量の低下、組成変化等、さまざまな劣化現象が引き起こされます。このような劣化現象の解析には、劣化の初期段階における挙動を検出することが有効です。当社のポリマーの分析技術と耐酸化性の評価を組み合わせることで、より精度の高い、信頼性のある解析技術を提供することができます。

DSCによるポリエチレンの耐酸化性の評価

一般に、工業材料として使用されるポリマーには酸化劣化を防ぐために、各種添加剤が加えられ安定化が図られています。中でも酸化防止剤の役割は重要です。ここでは、3種類の酸化防止剤を配合した4種類のポリエチレン(試料A,B,C,D)について耐酸化性の評価を行いました。評価の方法として、DSCにより酸化誘導時間の測定事例を紹介します。酸化誘導時間とは雰囲気ガスを窒素(N2)から酸素(O2)に切り替え、試料の酸化開始による発熱が見られるまでの時間で、図1に結果を示します。ポリマーの酸化誘導時間(T)は、試料A < 試料B < 試料C < 試料Dの順で長く、試料Dは最も安定性の良い試料であることがわかります。また、酸化防止剤の有無もしくは、酸化防止剤の種類により酸化安定性が異なることを示し、酸化誘導時間が長いほうが酸化抑止力が高く、ポリマーの寿命が長いことを示唆しています。

図1 DSCによる酸化誘導時間測定結果 (等温保持温度:210℃)

対象試料

  • 高分子材料(ポリオレフィン類、ゴム等)

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