無機材料表面の水酸基量を調べます（チタン板）

金属やセラミックスのような無機材料表面の水酸基は、接着などの特性に影響する因子であることが示唆されています。当社開発の新規な化学修飾法では無機材料表面の水酸基を定量することが可能となり、接着などの特性を発現するメカニズム解明に役立てることができます。

無機水酸基の定量法と用途

無機材料表面の水酸基定量法は、金属やセラミックスのような無機材料の接合界面における接着性、表面改質、腐食、表面抵抗などの特性評価の一助として用途があります。

水浸漬によるチタン板表面の無機水酸基の定量

水浸漬時間を変えたチタン板表面の無機水酸基（Ti-OH基）量を新規化学修飾法を用いたESCA（エックス線光電子分光法、別称：XPS分析）分析で定量しました。その結果、水浸漬により、経時でチタン板表面の無機水酸基量（Ti-OH/Ti比、標識元素の比率から算出）は増加する傾向が確認されました〔図1〕。
無機水酸基量は、密着力の測定結果と相関が見られており、無機材料と被着体の接着性を発現するメカニズム解明に役立てることが可能となります。