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微小領域・微量サンプルの成分定性ができます

通常のX線回折(XRD)測定に必要な試料サイズや試料量は、固体では数10mm、粉末では数100mg程度ですが、強力なX線源と高感度な検出器を備えた装置では、0.1mm程度の領域や微小物でも測定・解析が可能です。 ここでは微小部測定の例として極細ボールペンのボールについて分析した事例を紹介します。

極細ボールペンのボール材質の定性

極細ボールペン先端のボール部分を分析しました〔図1〕。ボールの直径は0.18mmφですが、露出部分の直径は約0.10mmφです。 この部分を狙ってX線ビームを照射し、得られた回折プロファイルを図2に示します。 データベース検索の結果、ボールの材質は超硬合金(炭化タングステン)であることがわかりました。ボールを支えるチップ部はステンレス製〔図3〕ですが、ボール部の回折プロファイルにはステンレスのピークは観測されておらず、ボールのみの情報が取得できていることがわかります。測定部位は平滑である必要はなく、多様な形状の試料をそのまま測定することができます。

図1 極細ボールペン先端の写真
図2 ボール部 のX線回折プロファイル
図3 チップ部のX線回折プロファイル

その他の応用

  • 結晶化度、配向度、成分分布等の多点測定、マッピング

高分子分析だけでなく、XRDを用いた微小領域の測定として、極細ボールペンのボールの材質を評価した事例をご紹介しました。

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