温湿度試験中の試料の歪みを可視化できます
製品開発において、さまざまな環境下での変化の過程を捉えることは、機能発現や異常発生のメカニズムを解明する上で重要です。今回は、耐久試験等で用いられることの多い温湿度試験下で試料が変形する様子を撮影し、デジタル画像相関法(DIC)を用いることで、試料に生じる歪みを測定した事例を紹介します。
温湿度試験中の電解質膜の歪み測定
燃料電池で使用される電解質膜は水分存在下で使用される材料です。その役割はイオン交換だけではなく、ガスバリアや構成するMEA(膜/電極接合体)の耐久力にも関係します。そのため、温度や湿度変化に伴う変形の把握は重要です。
そこで、実際に温湿度試験中においた時に、どのような歪みが発生するかを確認するためにDIC解析を実施しました。解析を行うために、試料表面には、スペックルパターン(ランダムな模様)を付与し試験槽に設置しました。DIC解析の原理は図1のとおりです。解析の結果、温度/湿度の上昇に伴い正の歪(膨張)が発生し、60℃一定状態で湿度を60%RH (①)から90%RH (②)に上昇した際には、より大きな歪が生じることが確認されました。また、60℃90%RHから湿度を低下させると歪は減少する様子も確認されました(③)。
このように、電解質膜は湿度変化に対応し、歪も変化する様子を捉えることができました。



装置仕様
- サンプルサイズ:10 × 10 cmまで
- 加湿条件設定:40℃40%RH~90℃90%RH
対象サンプル
- 高分子材料
- 無機/金属材料
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