飛行時間型二次イオン質量分析装置
Time Of Flight Secondary Ion Mass Spectrometry(TOF-SIMS)

概要
試料にイオンビーム(1次イオン)を照射すると、試料表面から2次イオンが放出されます。2次イオンが検出器まで到達する時間(飛行時間)を測定することにより、質量スペクトルが得られます。これによって、試料表面の構成成分を調べることができます。
特徴
- 極微量成分を検出可能(ppmオーダー)。
- 有機物、無機物を同時検出。
- 試料表面のイオン像(マッピング)を測定可能。
- 測定は高真空中。
測定対象試料とサイズ
固体試料(高真空中で揮発する試料は測定に向きません。)
15mm×15mm×10mm以下(これより大きい場合は切断が必要です。)
注)取り扱い時、測定面の汚染に十分注意してください。

分析事例一覧
- 繊維への表面処理を局所的に評価できます
- 製品に含まれる微量なフッ素系成分の分析が可能です
- 最表面(1nm程度)のPFOSおよびPFOA関連物質の有無がわかります
- 化粧品の耐水性の違いを複合的な分析で明らかにできます
- 食感に関する要因を多面的な分析アプローチで明らかにできます
- サステナブルな社会に貢献するリチウムイオン電池の特性・劣化解析
- 生体・食品試料(毛髪、米)の断面の分析組成分布がわかります
- 非常に薄い表面付着物の組成がわかります
- マルチスケールでの各種イメージング分析が可能です
- 極薄膜中の有機成分の深さ方向分布を調べることができます
- 材料表面の揮発性物質を分析できます
- 極薄付着物の組成分布が1ミクロンレベルでわかります
- 極表面成分の化学状態まで定量できます
- 微量残渣の元素と化学構造がわかります
- 表面偏析物の化学組成と分布状態がわかります
- 重合開始剤の組成および含有量がわかります
- 材料表面の極微量の有機成分を分析できます
- 1μm厚以下の中間層の組成がわかります