CO2の吸脱着挙動を評価できます
CO2は環境・エネルギー分野における重要なターゲット分子であり、カーボンニュートラル技術や分離回収プロセスの最適化において、材料とCO2の相互作用を精密に評価することが求められています。しかし、CO2雰囲気下での吸着・脱着挙動を “その場” で定量評価できる手法は、これまで限られていました。
このたび当社では、CO2ガス雰囲気下で材料の吸着挙動、重量変化、脱着特性を高感度に評価できる体制を整えました。吸着(CO2下)→ 脱着(N2加熱)の一連の挙動を同一試料・連続測定で取得できるため、吸着量、保持力、脱着開始温度などの重要な指標を一度に把握することが可能になりました。
本資料ではその応用例として、モレキュラーシーブをCO2雰囲気下で暴露した際の吸着による重量増加、および N2雰囲気で加熱した際のCO₂脱着挙動 を測定した事例を紹介します。
モレキュラーシーブのCO2吸脱着挙動
CO2雰囲気下でCO2の吸脱着挙動を評価するためにモレキュラーシーブを測定したところ、時間とともに重量増加が確認され(図1中の①)、CO2分子が細孔内部へ吸着していく様子を定量的に捉えることができました。モレキュラーシーブは微細な細孔を多数持つ材料であり、表面吸着だけでなく内部細孔への多層吸着が進むため、今回得られた段階的な重量増加は材料特有の吸着メカニズムを反映したものと考えられます。続いて、吸着後の試料をN2雰囲気下で加熱したところ、TGは温度上昇とともに重量減少を示し、吸着していたCO2が脱離していく挙動を明確に捉えることができました(図1中の②)。このように、CO2吸着時の重量増加と、加熱による脱離挙動をTGで一貫して評価できることは、吸着材の性能比較、使用条件の最適化、さらにはCO2分離回収プロセスの開発に大きく貢献できる手法であると考えられます。TGによる吸着・脱着評価は、一度の測定で吸着量、保持力、再生性といった主要パラメータを取得できる点で、CO2吸着材開発に非常に有用です。

測定対象試料
- 測定対象:CO2吸着・脱着挙動の評価を必要とする各種材料
- 試料量: 数mg~100mg