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水素雰囲気下での熱挙動がわかります

水素はエネルギー・金属・高分子など幅広い分野で利用が進む一方、材料との相互作用(脆化・吸蔵・放出・相変化)は複雑であり、どの温度域でどのような変化が生じるかを把握することは、材料設計やプロセス検討において重要な情報となります。当社では、水素環境下での材料挙動をより精密に捉えるため、水素雰囲気下における熱挙動をその場で捉える手法を確立しました。

この評価技術により、材料特性の把握と適材選定に必要な判断材料の取得、使用条件・処理温度域の設計に不可欠な基礎データの取得、水素環境下での反応挙動の事前把握による設計・品質検討への活用などが期待されます。本資料ではその一例として、チタン(Ti)の水素環境下加熱を行い、水素脆化に関連する発熱反応と質量変化が明確に観察された事例を紹介します。

チタンの水素環境下での脆性評価

水素雰囲気下でTiに対してTG/DSC測定を行った結果、Tiは発熱を伴う反応(図1中の①)を示し、さらにそれに伴う重量の増加(図1中の②)も確認され水素の吸蔵やTiHₓ形成に起因すると考えられる熱挙動が明確に観察されました。また、加圧条件下(0.4MPa)での測定では、これらの反応がより低温側から開始し、発熱の立ち上がり(図1中の③)や質量変化(図1中の④)が顕著となりました。このように、Tiの水素吸蔵挙動および水素化物形成に伴う熱反応・質量変化を把握することは、水素脆化評価、材料設計、耐久性予測において有用であり、材料の信頼性確保やトラブル原因解析への貢献が期待されます。

図1 チタンのTG/DSC測定結果

この評価例のように、大気との接触で腐食が懸念される電池材料などの劣化メカニズム解明や信頼性向上のために、グローブボックス内でのサンプリングと金属水酸化物の誘導体化処理を組み合わせることにより、大気の影響を排除した状態で金属水酸化物の分布を調査することが有効です。

測定対象試料

  • 測定対象:金属材料および水素環境に曝される各種材料
  • 試料量: 数mg~100mg

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